2009年06月27日

刑事コロンボ「4時02分の銃声」

原題"Butterfly In Shades Of Grey"(1993)

ラジオパーソナリティのフィールディング・チェイス(ウィリアム・シャトナー)は、血のつながらない娘ヴィクトリア(モリー・ヘイガン)が自分の手を離れ作家として自立して生活する意思をもつことに猛烈に反対し、彼女の出版への手助けをする自分の部下を殺害する。

ウィリアム・シャトナー。特に役者として注目したことはないが、TVシリーズの犯人役クラスとしてはなかなかの貫禄で、コロンボとの対決シーンは新シリーズの中でかなりいい線を行っていると思う。

娘ヴィッキー役のモリー・ヘイガンは新シリーズのどこかで以前に見た記憶があり、調べたら「狂ったシナリオ」に出ていた。

携帯電話が殺人の偽装アリバイトリック崩しの重要なアイテムになるわけで、それなりに楽しめたんだけど、コロンボが「うわさでは携帯でずっと話してるとぼけないらしいですよ」と言っているのが今となってはかなりつらい皮肉に聞こえる。もしそれがそうならアルツハイマーのP.フォークの耳元に携帯をかざし、ファンからのメッセージを届け続けて、コロンボ警部を再生させてほしい。

エピソード満足度:7/10
posted by onion_slice at 20:49 | Comment(0) | TVシリーズ
2009年06月22日

レスラー

監督ダーレン・アロノフスキー、出演ミッキー・ローク、マリサ・トメイ、2008年アメリカ映画。

久しぶりに新作を外で見る。J.J.エイブラムスのスタートレックか、レスラーか直前まで迷ったが、こないだ亡くなった三沢のこともありプロレス物を見ようと決意。

結論からいうと、スタトレにしとけばよかったと軽く後悔することになる。
ミッキー・ロークが演じる老いと孤独に直面するレスラーに共感しないわけではもちろんなく、いい映画かもしれないと思った瞬間もいくつかあったけれど、脚本が悲惨すぎる。日本のテレビドラマ作家でさえこれぐらいなら書けてしまいそうだ。

まあ脚本の陳腐さは、ミッキー・ロークの哀愁の混じった独特な野性的存在感の面白さである程度は補えていて、駄作と切り捨てるのは性急すぎる気がする。

スポーツ映画というのは、純粋にスポーツだけに焦点当てても映画にする意味ないので、必然的に登場人物の人生をドラマとして描写することになり、家族との不和とか肉体的な限界からくる苦悩が出てくるわけだけど、そういう苦悩を克服して競技の中で自己を取り戻していくという
昔ながらのストーリーラインが崩しがたく存在し、どうしても構成上似たようなワンパターンな物語になりやすい。

だから演じる役者が単に巧いだけでは駄目で、演技のメソッドを超えて、登場人物の感じる限界や自分という存在に対して抱く疑問、切迫した感情がダイレクトに伝わってくるかどうかが、映画として見るに耐えうるかどうかの要点になる。

そういう意味では、ミッキー・ロークの演じるランディは確かに見る者のハートを打つ強烈な輝きをもっていると思う。ロークのファンなら脚本の陳腐さなど意にかけず純粋に楽しめるのではないでしょうか。

他に見所としては、プロレスシーンがなかなかえぐい(ホチキス責め!)のと、マリサ・トメイがもう40代半ばなのにおっぱいぶるんぶるんでストリッパー役こなしているところだろうか。



posted by onion_slice at 17:07 | Comment(0) | 正統派ドラマ
2009年06月21日

オリバー・ツイスト

監督ロマン・ポランスキー、出演バーニー・クラーク、ベン・キングスレー他、2005年、フランス=イギリス=チェコ。

誰もが知ってる文芸作品の映像化は地味に見えながら、あらかじめ評価の定まった文豪の名作ということで、素材がよいだけに料理の腕の差が歴然と出るジャンルである気がする。

古典がどうしても退屈に思えてしまう現代の観衆に訴えかけるために、駄目な料理人=映画作家は古典の舞台をただ現代に置き換えるだけでごまかしたりするが、大抵、新鮮なのは始めの一口だけで、素材と味付けがちぐはぐなので飽きてくることが多い。

そんな中、ポランスキーの「オリバー・ツイスト」は原作をできるだけ忠実に、オーソドックスに再現し、かつ視覚芸術としての映画表現をぎりぎりまで追求した労力の結晶のような作品だ。19世紀のヴィクトリア朝ロンドンを再現しただだっぴろいセット空間と、その空間を行きかう老若男女の生活感漂うリアリティは舌を巻いてしまう。

難点は、主人公のオリバー君が可愛いんだけど影が薄すぎることで、作品の中盤ぐらいからどんどん目立たなくなって空気化していってしまう。しかしこれは原作自体がそうだから仕方ないが、ここだけはあえて原作改ざんに踏み切って独自に脚色してもよかったのでは、とも思う。

CSでやってた「テス」も録画したので見てみるか。しかし長いんだよな。。


posted by onion_slice at 17:07 | Comment(0) | 正統派ドラマ

刑事コロンボ「恋におちたコロンボ」

原題"It's All In The Game"(1993)

2人の女性が自分たちをもてあそんだプレイボーイを共謀して殺害。
うち一人のローレン(フェイ・ダナウェイ)は第1発見者かつ、恋人を亡くした不幸な女性を演じコロンボに近づき捜査の目をそらそうとする。コロンボはローレンが犯人だと感じつつも彼女の魅力にひきつけられてしまう。

タイトル通り確かにコロンボが恋におちてしまう。カミサンカミサンが口癖の熱烈な愛妻家キャラかと思いきや、実は浮気願望が。。?とコロンボの新たな一面が見えるエピソード。

トリック的にはパンチがない。謎の共犯者の存在が電話の通信記録一発でばれるなど味気なさが随所にある。が、コロンボと孤独を抱えた大富豪の女性が、刑事‐容疑者という緊張関係にありながら段々恋愛に近い感情を抱いていく筋書きは悪くない。フォークが脚本を書いた唯一の作品でもある。

エピソード満足度:6/10
posted by onion_slice at 09:49 | Comment(0) | TVシリーズ
2009年06月14日

刑事コロンボ「死者のギャンブル」

原題"A Bird in the Hand..."(1992)

ギャンブルで借金漬けの男ハロルド・マッケインがアメフトチームのオーナーである叔父ビッグ・フレットを殺して相続金をせしめようとする。が、ハロルドがパイプ爆弾で殺害する前に叔父はひき逃げに遭い死亡する。ひき逃げに使用されたトラックはビッグ・フレットの邸内で働く使用人の車だった。

脚本にひねりがありなかなか楽しめた。犯行時刻を偽装したアリバイ工作はコロンボ作品で飽きるほど出てくるし、パターン化されているので事実見ていると飽きてくるんだけど、事件当日の被害者(容疑者でもある)の服装と行動から犯人の証言の嘘を暴く今回のアリバイ破りは久しぶりに見ごたえがあった気がする。これだけの知性を働かせるコロンボ警部を演じたP.フォークが認知障害の状態にあるというのは直面したくないつらい現実だ。

来週は犯人役に大物女優フェイ・ダナウェイということで、期待してもいいかも。

エピソード満足度:6/10
posted by onion_slice at 10:09 | Comment(0) | TVシリーズ
2009年06月07日

恋愛睡眠のすすめ

監督ミシェル・ゴンドリー、出演ガエル・ガルシア・ベルナル、シャルロット・ゲンズブール。フランス=イタリア、2006年。

マンションの隣同士に住むことになった内向的な男女ステファンとステファニーの恋愛ストーリー。

恋愛といっても、ゲンズブール演じるステファニーのステファンに対する態度は最後までどこか距離を置いたままで、普通の恋愛映画のようにはなかなか発展しない。
そのステファニーの心をつかみきれないもどかしさ、現実に対して巧く自分をコミットできない不器用さがステファンの夢想の中で奔放さを与えられ、アニメ効果やいろんな特撮ギミックを駆使して表現される。

このへんはさすがミュージッククリップ/CM畑出身だけあって、視覚にぱっと訴えかける大量のアイデアはなかなかのもの。

独特な超現実的質感といい、男女間のすれ違いの淡さといい、「エターナル・サンシャイン」と共通項も多く、「エターナル」が好きな人には大体において満足いく仕上がりになっている。

個人的には、最初は面白いけどだんだん見疲れてくるタイプの映画だった。やはりチャーリー・カウフマンの異常な暴走力をもつスクリプトの助けがないと、いまひとつ映画の面白さを底上げするパワーに欠けるのかもしれない。


posted by onion_slice at 18:22 | Comment(0) | 恋愛
2009年06月06日

刑事コロンボ「初夜に消えた花嫁」

原題"No Time to Die"(1992)

コロンボの甥の刑事アンディの結婚式。初夜を迎え、アンディがシャワーを浴びる間に花嫁メリッサが誘拐される。

通常のコロンボと違い犯人は最初から明かされないのが特徴。
犯人が異常者であり、1992年という製作年を考えると明らかに「羊たちの沈黙」の影響を受けていそうだが、ハンニバル・レクターやケヴィン・スペイシー演じる首ちょんぱ野郎たちの猟奇的な行動に慣らされた目で見ると、犯人のサイコパス度合いは残念ながらかなり低い。

作品としてはつまらないと思うが、たまにはこういう形式もよいかも。
ピーター・フォークがアルツハイマーで自分がコロンボを演じたことすら覚えていないという悲しい状況なので、駄作率の高い新シリーズも一作一作を大事に見て頭にコロンボの姿を焼き付けておこうと思う。

エピソード満足度:4/10
posted by onion_slice at 20:56 | Comment(0) | TVシリーズ

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