2009年09月26日

刑事コロンボ「もう一つの鍵」

原題"Lady in Waiting"(1971)、出演スーザン・クラーク、レスリー・ニールセン。

広告会社の社長である兄から、同じ会社の社員との交際を反対された妹が強盗と間違えた正当防衛に見せかけて兄を殺害する。

コロンボではあまり類を見ない正当防衛としてカムフラージュされた殺人。被疑者が殺しをやったことは認めているので、問題は殺意があったかどうか。殺したという状況は明確だが、そこに殺意があったのかを示す物的証拠が皆無である以上、犯罪の立証が難しいケースだと言える。最終刷りの夕刊という状況証拠はあるが弱い。そこでコロンボが利用したのが、容疑者の証言に含まれる事件のディテールの順序と、目(耳?)撃者が語る事件のディテールの順序との食い違い。

この証言の食い違いで容疑者の有罪性に行き着く過程は、数学の論理命題を解いたときのようなすっきり感がある。

犯人役の女もなかなかセクシーで味があってよい。性格の悪さゆえに、コロンボに仕留められるときのカタルシスも大きい。レスリー・ニールセンは共犯者ですらないのでどうもぱっとしないが。。

それにしても来週はいよいよ。いよいよ「黒のエチュード」。ついにカサベテスか。放映開始以来はや9ヶ月。この日を待っていた。録画必須の永久保存版だ。旧時代の化石のようなアナレコしかなくHD記録できないのが心から苦しい。年末にBlu-Ray付HDレコーダ購入予定だったが、その前に放映とは。。

エピソード満足度:7/10
posted by onion_slice at 20:41 | Comment(0) | TVシリーズ
2009年09月23日

宇宙戦争

BSで見る。パニックムービーの常套路線で斬新さはないが、無難に娯楽SF映画のツボは押さえていて、絵作りも丁寧なのでまあ楽しめた。エイリアンが肛門みたいなところからトムクルーズを吸いこんでトムが手榴弾炸裂させるシュールなシーンはよい。しかしそれ以上にシュールなのがあの、窓に張り付くピーナッツバターパンだ。

トムだけだと段々つらかったところに、ティム・ロビンスが出てきてほっとしてたら、あっさりいなくなったのが惜しい。せっかくエイリアンと闘いたがっていたから、せめてエイリアンとの激闘の末に逝ってもらいたかった。ミランダ・オットーがちょっとしか出ないのもやや不満。「ヒューマン・ネイチュア」のフランス女ガブリエルのセクシー演技がよかったんだが。そういや「ヒューマン・ネイチュア」でミランダの相手はティム・ロビンスだったな。

この作品自体は良くも悪くも古典的B級SFという感じだけど、スピルバーグは同じ年に傑作「ミュンヘン」も作ってるのですね。老年期に入ってもスケールでかい大作を年に二つ世に出せる映画人のバイタリティはやはりすごい。

個人的なスピルバーグのベスト3は「ミュンヘン」「プライベートライアン」「シンドラー」というところだろうか。昨日BSでやってた「ET」なんかは生理的に駄目で最後まで見通したことないからなんともいえないが。


posted by onion_slice at 23:50 | Comment(0) | SF・ファンタジー
2009年09月19日

刑事コロンボ「殺しの序曲」

原題"The Bye-Bye Sky High I.Q. Murder Case"(1977)。出演セオドア・ビケル。

会計事務所の共同経営者でもある親友に金の横領をかぎつけられたことから強盗に見せかけ殺す男。

犯人はIQが最高に高いメンバーから構成される社交クラブに所属しているという設定で、それにふさわしくトリックは確かに難解だ。OPである程度ヒントを見せられているのにも関わらずどうやって時間差をつくったのかがピンと来なくて、コロンボと一緒に最後まで追って種明かしされてようやく理屈は分かった。

被害者が死ぬ前にかけたレコードプレイヤーが曲の途中から再生するようになっていたこと、分厚い辞書が床に落ちていたこと、この二点の乏しい状況証拠からトリックの概要を推測していき、二発の銃声の間の人が倒れる音をどう発生させたか、というどうしても解明できないミッシングリンクは犯人自らに埋めさせるよう失言をリードしていくコロンボの捜査能力は、IQ高い知能犯を出し抜く知性だけでなく、犬が嗅覚だけで獲物を追い詰めるようなどこか本能的な特性に裏打ちされているように思う。

惜しいのは時間が他のエピソードに比べて20分ぐらい短いせいか、トリック暴きがやや急ぎすぎな気はする。複雑なトリックだけに、見終わってもいまひとつ消化不足感が残る。むしろ、天才犯人‐警部の頭脳対決の密度の濃さを印象付けるため、あえて凡庸な視聴者を置き去りにしてこういう釈然としない感を演出するのが狙いなのかもしれないが。

偽金貨を秤1回で見破る小話だけはすっきりした。これは覚えておいて小ネタに使う価値ありです。

エピソード満足度:7/10
posted by onion_slice at 22:39 | Comment(0) | TVシリーズ
2009年09月12日

刑事コロンボ「二枚のドガの絵」

原題"Suitable for Framing"(1971)、出演ロス・マーティン、キム・ハンター、ドン・アメチー。

美術評論家が、膨大な絵画コレクションを有する富豪の叔父を殺し財産をせしめようとする。

新シリーズ最終話(2003年作)の後で32年タイムスリップして見るコロンボはさすがに若い。といっても40代半ばだが。あの、とぼけたたたずまいに潜む野生的な知性、危なかっしさがたまらない。

犯行のトリック自体はいたって普通の、共犯による時間を利用したアリバイ工作でしかないが、最後の犯人の嵌め方が痛快すぎる。絵の額縁(frame)と、嵌める(frame)を兼ねたダブルミーニングのタイトルがまったく憎らしい。

エピソード満足度:7/10
posted by onion_slice at 22:02 | Comment(0) | TVシリーズ
2009年09月05日

刑事コロンボ「殺意のナイトクラブ 虚飾のオープニング・ナイト」

原題"Columbo Likes the Nightlife"(2003)、出演マシュー・リス、ジェニファー・スカイ。

事実上最後のエピソード。初回から30年以上経過しており、いまだに「警部」のままだ。が、あんだけ難解な殺人事件解決しまくって出世しないのかよ、との突っ込みはご法度。死体の口に鼻つっこんでマウスウォッシュの痕跡をかぎつけ、手入れされた足の爪チェックをして、自殺に偽装された他殺を暴く徹底した現場主義を忘れてフカフカの警察署長チェアーに座っているコロンボなんて想像する気にもならないからだ。

最後まで小汚いレインコートを着て、本人は希少なクラシックカーと言っているがどうみても安っぽいポンコツ車で犯人の家に乗りつけ、とぼけた口調で「あともうひとつ」を繰り返してねちねちとアリバイ崩しにかかるコロンボ警部は、無数の税金泥棒公務員であふれた官僚機構もつまらん出世人生も超越した個人としての圧倒的な格好良さ、スタイルを提示してくれる。

最後のエピソード自体は凡作+αぐらいの出来だったが、もうコロンボとして画面に出ることはないだろうP.フォークには本当にお疲れさんといいたくなる独特のせつなさがあった。

関係ないが、LOSTのハーリー役のホルへ・ガルシアが出ていたようだ。
後から知ったが、クラブのドアマン役。最後にマシュー・リスに会いにくるジェニファー・スカイを押しとどめる太い人。

というわけでいよいよ来週から旧シリーズカムバックか!最初数話だけ旧シリーズ放映してその後半年新シリーズ流し続けるというNHKのわけわからんじらしプレイには正直かなり参った。あのサブ音声切替禁止というこれまた理解不能なシバリも即刻解除してコロンボの肉声を聞けるようにしてほしい。

エピソード満足度:6/10
posted by onion_slice at 21:15 | Comment(0) | TVシリーズ

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