2010年03月27日

刑事コロンボ「5時30分の目撃者」

原題"A Deadly State of Mind(1975)"、出演ジョージ・ハミルトン、レスリー・アン・ウォーレン。

精神科医コリアーは、患者ナディアと関係をもつが、ナディアの夫にばれたことから追い詰められ、暖炉の火かき棒で衝動的に殴りつけ殺してしまう。

推理面、対決面、ドラマ面の3拍子で面白い良エピソードだと思う。
精神的に不安定なナディアを共犯に仕立てた挙句、疑いをもったコロンボの目をそらさせるために催眠術で自殺に追いこむ非道なコリアー医師。コロンボは犯行現場に残されたライターの石という小さな手がかりからコリアーの犯罪を確信しているが、証拠を挙げるまでにいかない。そこへ、唯一の証人が現れるが、目が見えず犯人の顔を目撃してはいない。この証人を使っていかに犯人を嵌めるのか。
このラストの嵌め技の鮮やかさはコロンボの全エピソードでもベスト5には入るのではないだろうか。

犯人役は、新シリーズ「犯罪警報」にも出ていたジョージ・ハミルトン。さわやかだがどこか憎たらしい顔つきが個性的だ。

エピソード満足度:8/10
posted by onion_slice at 20:32 | Comment(0) | TVシリーズ
2010年03月20日

刑事コロンボ「攻撃命令」

原題"How to Dial a Murder(1978)"、出演ニコル・ウィリアムソン。

心理学者メイソンが浮気をした妻を殺害。数ヵ月後、浮気相手で知人の男をドーベルマン2匹に襲わせて殺す。

犬を特定の言葉に反応させ人を襲わせるというだけのトリックで、単純明快だが、その特定の言葉が「市民ケーン」の有名なローズバッドだというのがなかなか面白い。そして、「ケーン」のOPに影響された邸宅の門構えの話をするうちに自分からその言葉をうっかりしゃべってしまう犯人は、コロンボが最後にがっかりしたというように、他のエピソードの殺人者に比べて、相手を出し抜く狡猾な知性と用心深さが欠如しているように思う。しかし、それも映画への愛情からくるものなのでどこかほほえましい。殺しの動機が同情を誘うということもあり、見ていて憎めないタイプの犯人だった気がする。

犯人が追い詰められてコロンボを殺そうとするレアなエピソードでもある。オチは予想した通りだが、ヒッチコックっぽい演出でなかなかよいと思う。

惜しい点は、犯人の家に居ついていて事件の第一発見者である女性の役どころが中途半端なところか。

エピソード満足度:7/10

posted by onion_slice at 20:34 | Comment(0) | TVシリーズ
2010年03月13日

刑事コロンボ「悪の温室」

原題"The Greenhouse Jungle(1972)"、出演レイ・ミランド。

甥の信託財産を引き出すため狂言誘拐を仕組み、金を手に入れた後は彼を殺す栽培家の話。

推理面、対決面、ドラマ面三拍子そろって大して面白くないエピソードで、感想がほとんどない。犯人が栽培家である必然性が薄いのと、甥を殺して金を奪う行動の裏に潜む屈折した人間性というのが見えてこないのが残念。

エピソード満足度:4/10
posted by onion_slice at 21:19 | Comment(0) | TVシリーズ
2010年03月07日

石の微笑

監督クロード・シャブロル、出演ブノワ・マジメル、ローラ・スメット。
2004年フランス=ドイツ。原作はルース・レンデル。

互いの愛の深さを証明するために人を殺す。70超えてまだこんなの撮ってるのかよ、シャブロル、という感じで見始めたが、衰えない不思議な演出の魔力に引き込まれ最後まで堪能できた。

センタ(主役の女)の異常性を徐々に暴露し嫌悪感を抱かせつつも、彼女のなかにある過剰な愛の荒々しさ・崇高さが、ブノワ・マジメルと一緒に観ている者まで縛り付ける。結婚式での最初の登場シーンでは、正直ヒロインとしてぱっとしなくて、フィリップの妹パトリシアにばかり目がいっていたが、段々センタの危ないエロスに魅せられていく磁場のような作用が働いているように思う。さすがサスペンスと愛の巨匠。


posted by onion_slice at 17:28 | Comment(0) | ヨーロッパ
2010年03月06日

ペルセポリス

2007年フランス。監督マルジャン・サトラピ、ヴァンサン・パロノー、出演(声)キアラ・マストロヤンニ、カトリーヌ・ドヌーヴ。

イラン革命、イラン・イラク戦争の激動下で少女時代を過ごし、留学先のウィーンでつかの間の西洋社会の自由を謳歌した後再びテヘランに戻り、宗教的弾圧が支配する現実を目の当たりにする、というフランス在住の漫画家サトラピの実体験に基づくアニメ映画。

イランの代表的映画監督キアロスタミの作品からは、天真爛漫な子供が楽しくもありしょっぱくもある現実の中で生きているほのぼのとした日常が伝わってくるわけだが、一方で、イランは革命と戦争の国であり、弾圧の国でもある。宗教と政治権力が分かちがたく結びついた社会のなかで、こそこそと西洋流の娯楽を楽しみ、性的な抑圧にさらされながら生きる女性。つねに不安と恐怖と向かい合う現実。こうしたテーマが、サトラピの乾いたユーモアたっぷりの語りから生々しく伝わってくる。

一見ちびまる子ちゃんのような画風だが、どこか虚無感が漂う映像空間と、つねに輪郭が揺れ動いているようなアニメーション効果があいまって独特な不気味さが体感できる作品。


posted by onion_slice at 23:31 | Comment(0) | アニメ

刑事コロンボ「死者のメッセージ」

原題"Try and Catch Me(1977)"、出演ルース・ゴードン。

女流推理作家アビゲイル・ミッチェルは、自分の姪がその夫エドモンドに殺されたと疑っており、エドモンドに自分の財産分与の話を持ちかけ油断させ金庫に閉じ込めて酸欠死させる。

おそらくコロンボのエピソード中、最高齢の犯人か。製作時に実年齢80に達しているルース・ゴードン。しわくちゃのおばあちゃまだがなかなかかわいらしく、コロンボとの知力対決も見ごたえがある。

トリックは、犯罪小説の書き手だけあって用意周到かつしっかりと自分のアリバイを確保している。しかし犯人の車のキーを金庫内に残せなかったのが過ちで、そこにコロンボがサメのようにくらいつく。

ダイイング・メッセージの真実も感心した。閉じ込められた人間が残した死に際の執念のリアリティがよく出ているように思う。

エピソード満足度:7/10
posted by onion_slice at 20:42 | Comment(0) | TVシリーズ

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