2008年08月09日

トゥモロー・ワールド

この作品を知らなかったのは恥ずかしい。とくに話題になった記憶がないんだけど、まったく人目を引くアピールにかける駄目な邦題のせいかもしれない。タイトルから凡庸なSFアクションを思い描きがちなだけに、中身のクオリティの高さ、人の生き死にをシリアスに見据えた重いテーマ性に衝撃を受ける。

ストーリー的には単純。子供が生まれなくなった近未来で、奇跡的に妊娠した少女を「ヒューマンプロジェクト」なる研究団体に送り届ける役割を背負わされてしまった元政治活動家の主人公(クライブ・オーウェン)が、段々自分の使命を感じ取り少女の赤ちゃんに病んだ世界の未来を賭けようとする姿を描く。最後まで物語進行にサプライズはないが、映像が圧倒的なので気にならない。

色々見所はあるが、不法入国者からなる政治組織との競り合いの緊迫感がすさまじい。特にジュリアン・ムーア襲撃のシーンは、タランティーノも真っ青ではと思うほどヤバイ暴力の空気に満ちていて、トラウマになりそうなほど強烈だ。しかも直前のあの口ピンポンというゆるいシーンの後だけに。このちゃぶ台ひっくり返しな演出は反則的にずるい。

退廃的なイギリスの空気をよくかもし出したこの近未来映画のメガホンをとった監督はアルフォンソ・キュアロンというメキシコ系。「アズカバン」とかも手がけてる人らしく、ハリポタは興味なかったのだがちょっと見てみたい。

俳優面ではとにかくクライブ・オーウェンのニヒルっぽいが内面は熱い役柄が秀逸。ヒッピー思想の友人役マイケル・ケインもすばらしく、オーウェンとの友情シーンは泣けてきた。


posted by onion_slice at 19:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | SF・ファンタジー
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