2008年11月08日

つぐない

監督ジョー・ライト。主演ジェームズ・マカヴォイ、キーラ・ナイトレイ。

片思いを寄せる年上の青年ロビー(マカヴォイ)と姉セシリア(ナイトレイ)の仲を引き裂くために13歳の少女ブライオニーのついた嘘が、3人の人生を狂わせて行く話。

純文学系路線の作品はあくびが出るものが多いんだけど、これは非常によくできていて、この手の正統派イギリス映画としては個人的に久々のヒットだった気がする。

少女の嘘が悲劇の発端となるまでを描いた前半は、多感で想像力にあふれる13歳のブライオニーから見た大人の性の世界がとても繊細なニュアンスで語られる。

後半は場面変わって、独軍に追い詰められたダンケルクの連合軍の撤退を中心に、フランスで兵士となったロビーと、イギリスでナースをする姉妹それぞれの苦境が描かれる。

13歳のブライオニーの罪の無自覚さから、大人になり少女の頃の自分の行動を直視できるようになったブライオニーによる「つぐない」へ至る主題の移行が、戦争を契機にしてうまく描写されていると思った。さすが心理小説については比類ない伝統の蓄積を誇るイギリス。

色々感心した演出はあったが、ダンケルクの浜辺の長回し移動撮影は素晴らしい。

脚本もよいし映像、音の使い方もセンスがあり、お気に入りの一作となった。


posted by onion_slice at 23:52 | Comment(0) | TrackBack(1) | ヨーロッパ
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歌うタイプライター
Excerpt: 移動サーカスでテントを次々と覘いてゆくような戦場の光景。引き揚げ船の到着を待つ兵士たち。長回しが効果をあげるなか、ダンケルクの場面は幻想味に溢れている。 シアーシャ・ローナンの透明感に驚いた。彼女の..
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Tracked: 2008-11-12 23:11
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