2009年05月10日

ランジェ公爵夫人

監督ジャック・リヴェット、出演ギョーム・ドパルデュー、ジャンヌ・バリバール。原題"Ne touchez pas la hache"(2007)

マヨルカ島で出会う修道女とナポレオン配下の将軍モントリヴォーの間に何があったのか。
修道院での二人の対峙から過去に遡り、社交界の花形夫人を修道女に変えた悲恋物語が語られる。

社交界に出入りする人妻という身分の束縛から自分を解放するために許されない恋愛に手を染めるが、自分の気位を崩すことを欲さず、あくまでも戯れの恋愛ゲームを貫こうとする。が、ゲームがゲームとして続かなくなると相手への愛情で押しつぶされそうになるこの可哀想な公爵夫人。作中でミシェル・ピコリが言う身分上のルールと感情の間でバランスを取れず自己崩壊していく姿が、痛ましくも美しい。

難しい立場にある女性の微妙かつ複雑な心境を、台詞に頼らず表情や仕草だけで伝える表現の仕方は感銘を受ける。
ドパルデューも父親に引けをとらない繊細な魅力に満ちていて、亡くなったのが惜しい。

「地に堕ちた愛」等でもコンビを組んでいるウイリアム・ルプチャンスキーの撮影技術も完璧で、ここ数年のフランス映画としては個人的に最大のヒットだった。


posted by onion_slice at 11:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | ヨーロッパ
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