2009年07月09日

プライドと偏見

監督ジョー・ライト、出演キーラ・ナイトレイ、ドナルド・サザーランド、2005年、英仏。

同監督の「つぐない」ほどドラマチックな仕掛けがあるわけではなく、原作は19世紀古典だけあって構成はしっかりしているものの筋書きだけ追っているとかなりの欠伸ものなのだが、シネマトグラフィがとにかく素晴らしい。
物語は適当に受け流しつつ映像だけに集中して見る、という贅沢な鑑賞に浸ることができる。

1個1個のショットのライティングと構図が緻密かつ的確で、写真撮る人にはかなり勉強になることと思う。かつ、映画ならではのダイナミズム、時間と空間の遷移を巧く使った手法もふんだんに盛り込まれていて、特に素晴らしいのはオープニングの移動撮影と、中盤でMr.ダーシーがリジーに手紙を渡しに来るシーンだ(時間の大胆な早回しと前景・後景を利用したフォーカシングのコントロール)。OPの移動撮影は「つぐない」のノルマンディでのショットでも似たようなのがあったけど、この人こういうの好きなんですねえ。私もこの手のトリッキーなの好きです。

そんなわけで物語的にはまじめに見てなかったんだけど、あの恋愛のなかなか進展しないスロー具合がよい。身分の違う女性に歩み寄れない昔の英国貴族の、自己への誇りからくる高貴かつ孤高の高みにある葛藤が、私の頭でも1ミクロンぐらい理解できた気がした。

邦題が「高慢と偏見」でなく「プライドと偏見」になっているのも重要なポイントだろう。確かに、「高慢」は定着した邦題とはいえ、ちょっと違和感を覚えないでもない。


posted by onion_slice at 00:04 | Comment(0) | ヨーロッパ
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