2009年08月01日

ワールド・オブ・ライズ

監督リドリー・スコット、出演レオナルド・ディカプリオ、ラッセル。クロウ、マーク・ストロング、2008年、アメリカ。

原題"Body of Lies"の"Body"を邦題でワールドという言葉に直しているのが気に入らない。この作品がCIAについて描いているような、中枢から末端まで嘘が充満しきっている腐敗した組織体の不気味なニュアンスが剥がれているため、DVD屋で見たときに007的なお気楽スパイアクションを想像してしまう。

それで素通りしてしまった人はもったいない。「ブラックホークダウン」や「グラディエーター」のリドスコだから1級のアクションが見所なのは間違いないが、それ以上に、CIAが犯しつづけている失敗の本質や組織としての欠陥が容赦なく暴露されているので、テロに対する合衆国の諜報戦の危うさについて危機感を持たせてくれる。

失敗した数々の内密行動がさらにテロリストの憎悪を煽っている危険な悪循環に気づかされるし、ディカプリオとクロウの相互不信に基づくオペレーションの食い違いなどを見ていて、これが実際のCIAエージェントの実態なら、そりゃビンラディンもつかまらないよな、と思ってしまう。

そういうわけで、「嘘」をキーワードになかなかの洞察が詰まった映画だと思う。

シギントを描かせたら弟トニー・スコットに敵う監督はいないが、もうひとつの諜報活動の柱ヒューミントを描いた映画として、兄貴の面目躍如といったところか。


posted by onion_slice at 11:42 | Comment(0) | アクション
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