2010年01月02日

チェンジリング

監督クリント・イーストウッド、出演アンジェリーナ・ジョリー、ジョン・マルコヴィッチ、2008年アメリカ。

かなり脚色というか映画向けのお色直しはありそうな気がするが、80年前にこんなショッキングな出来事があったことに驚く。しかし単にショッキングな題材にはとどまらず、カフカの作品にでもでてきそうなほど不条理で硬直・腐敗した公権力にたいして主人公の女性が怯まずに立ち向かい正義を訴えていく姿が心を打つ。

事実、誘拐の異常な側面は比較的早く明らかにされるのだけど、凡庸な監督のように異常性をスキャンダラスに追うよりも、アンジェリーナ演じるクリスティン・コリンズがLAPDに対して裁判を起こし、彼らの人権侵害を認めさせるプロセスの描写に重点が置かれる。こういう人たちのアクションがあったからこそ、市民社会における諸々の権利が得られてきたんだと実感してしまう(もちろん、80年後も変わらず侵害は至るところで起きているが。足利事件然り。というか警察の無能さはまた別の話か)

クリスティンを異常扱いする警部をぴしゃりと黙らせる熱い弁論をうつ弁護士のシーンがいちばん好きだ。マルコヴィッチも好きだがこの弁護士さんが個人的にこの映画のMVP役者かも。

惜しいのは、尺がやや長く事件後の描写が冗長に感じることぐらいか。
2時間でピタリと収まっていればもっとよかった。あとは、個人的な好みでしかないと思うけどアンジェリーナ・ジョリーが好きになれない。「グッドシェパード」で好きになりかけてたけど、この佳作を見てもやはり好きというところまでいけない。ヒラリー・スワンクならもう少しよかったかもしれない。スワンクが演じるという話もあったそうだが、1920年代の婦人像にフィットするイメージを優先してアンジェリーナに決まったらしく、それはうなずける。


posted by onion_slice at 18:40 | Comment(0) | 正統派ドラマ
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