2005年04月17日

スチームボーイ(2004,日)

何度も完成の報道がなされるたびに公開が延期され、日の目を見るまでついに「AKIRA」から16年も経ってしまった「スチームボーイ」。プロモ動画を見て、メディアミックスの寵児と謳われた大友にしちゃ子供だましっぽくないかと勝手に判断し劇場にいかなかったことを、DVDを見た今すんごく後悔してる。これなら16年のブランクを忘れてもいい。

19世紀のロンドン、圧倒的な蒸気の力を秘めた「スチームボール」をめぐり、天才発明家の息子レイが、ボールを手に入れ破壊兵器への利用をたくらむ財団相手に繰り広げる冒険活劇。ラピュタを思わせる冒頭の逃走シーンから、ごく正攻法な少年向けアドベンチャー路線まっしぐらで、「AKIRA」のようなエキセントリックさを期待する一部のオーディエンスには肩透かしだろう。しかし、画力はやはりずばぬけてるし、メカの描写の凝り具合は目をみはる。というか、大友がいちばん描きたかったのはまちがいなくメカだ。「AKIRA」では超能力という形で現れた、人智を越えた力への抗いがたい誘惑っつーテーマが本作では「科学」の名の下に再帰していて、1世紀以上昔を描いた本作では、近未来の作品である「AKIRA」の超能力以上にバケモノじみた力をもったメカの暴走オンパレードが繰り広げられる。後半の、万博を舞台に暴れ回るモビルスーツ的な兵器やハンググライダー的な兵器や、最後の30分ぐらい延々とつづくスチーム城の大仕掛けは、「老人Z」の無軌道に疾走してくナンセンスぶりを彷彿とさせる。はっきりいって、少年向けのオーソドックスな冒険活劇というにはあまりにマニアックだ。

当然「スチームボーイ」を「AKIRA」から見て後退したとみなす人と、大友の復活とみなす人とがいるわけだろうが、個人的には「AKIRA」と同等かそれ以上の出来栄えだと思う。「童夢」とか「彼女の思ひ出」とかの大友らしさが出てて好きだ。
脚本の細かいところも凝ってて、ロンドン警察を「スコットランドヤード」というあたり、にやりとさせられる。
これはDVD買いだろ。


posted by onion_slice at 01:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ
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