2005年05月22日

ゴッドディーバ(2004,仏)

ユーゴスラヴィア生まれでフランスに亡命した、バンドデシネ(フランスのビジュアル・コミック)のスポークスマンである エンキ・ビラルの監督した三作目で、原題は"Immortel(ad vitam)"。
ビラルのコミックは読んでないが、彼の撮った二作目「ティコ・ムーン」は見た。コミックの分野で相当もてはやされてる作家の作品ということで期待してたが、中身は凡庸なSFだった。
本作もあまり期待しないで見てみると、やはり大したことない。

まずストーリーがわかりにくい。2095年のニューヨーク、空中に浮かぶピラミッドでエジプト神話の神々(アヌビスとバステト)が仲間の一人ホルスを裁いている。ホルスは反逆の罪で不死を奪われるが、7日間だけ人間の世界で暮らすことを許される。ホルスは、遺伝子を操る会社らしき「ユージェニクス」に反乱する青年ニコポルの身体に乗り移り、ミュータントだかエイリアンだかわかんないが青い髮の女ジルと交わり子孫を残そうとする。

まあ原作読むか、もう一回DVD見るかしないと何が言いたいのか不明な話ではあるが、とにかく「1984」的な超管理社会のヴィジョンと神話を結びつけるのはSFのよくある手口という気がする。
ストーリーは置いといて映像だが、確かにコンピュータグラフィクスの粋を究めた緻密な世界が描かれている。主役数人以外のキャラが全員CGというのも野心的ではある。 でも、「ああ、よく作ったね」で終わってしまうその程度のものだ。TVゲームの世界から抜け出るものじゃなく、映画として血が通ってないように思う。
デジタル全盛になって映画が特殊効果に依存するようになるのを批判する気はない。やはりフランスで作られた「ヴィドック」みたいに面白い視覚的エフェクトをもつものもあるし、いろんな可能性はあると思うが、「ゴッドディーバ」は単にコンピュータ上でつくられた作品で閉じている気がするね。

主役のジルを演じる1992年のミス・フランスに選ばれたリンダ・ハーディも、女優の演技ではなくせいぜいファッション・モデルのうすぺっらい存在感しかなく、なんだかピンとこない。

作者の宗教的な自己陶酔と、紋切型のフューチャリスティックなヴィジョン以外に見るべきところのない、つまんないサイバーSFでした。
posted by onion_slice at 21:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | SF・ファンタジー
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