2005年06月05日

ピストル・オペラ(2001,日)

ストーリーのキテレツさに翻弄されず、ハイアートとアングラ劇画の折衷のような、高度に様式化された画の紙芝居的曲芸に魅了されるのが、清順の映画の正しい見方の一つだろう。
映画の撮り方の作法なぞ度外視して、作家独自の夢やファンタスムを映像化するっつー美学的な姿勢をじじいになっても貫いてるのは賞讃すべきことでもある。

と、一応褒めといてからだが、「ピストルオペラ」はそんなにいい出来じゃないと思う。江角マキ子演じる「野良猫」という女が、殺し屋組織「ギルド」内のナンバー1争いをサバイバルしていく話で、オペラはまったく関係ない。変な白粉おばはんからそそのかされて、殺し屋ランキングのトップクラスをやっつけてって、最後はおばはんがナンバー1キラー「百眼」とわかり対決する。殺し屋のコードネームは「宴会部長」だの、「生活指導の先生」だの、なかなか笑える。

いくつかのシーンは確かに、清順しか撮れないシュールな感覚がかっこいい。
だけど後半は怪奇的な想像力だけが調子外れに飛躍してって、段々こけおどしじみてくる。最後の、百眼との決戦のあたりは「もうわかったよ、いいかげんくどい」という気を起こさせる。
演出上の間のとりかたというか、カットつなぎの絶妙な呼吸が見事なだけに、しりすぼみな感じが惜しい。
新作の「オペレッタ狸御殿」はまだ見てないが、タイトルはセンスいいよな。

posted by onion_slice at 00:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | カルト
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