2005年10月23日

ウェイキング・ライフ(2001,米)

けっこう驚く作品に出会った。

夢から覚めても覚めても夢の中にいる男がいろいろな人物と出会い、夢について、人生について、時について語り合うという映画。アニメーションなんだけど、普通のアニメじゃない。ビデオカメラで撮った映像をMacintoshの上でロトスコープ処理(映像の動きをトレースしてアニメ化することらしい)していて、やたら躍動感のあるアニメである。しかも、夢の世界さながら、人の顔やら背景やらがつねにぼんやりして、揺れ動いていて、イメージが定着しないのが絶妙な効果をあげてる。

登場する人物も、街なかでプロテストのため焼身自殺する男や、実存主義を教える教授や、瞬間の中から生まれる芸術について力説する映画監督や、ビデオを上映しながら夢についてレクチャーするチンパンジーまで多彩な顔ぶれだ。イーサン・ホーク&ジュリー・デルピーも出てくる、当然アニメ化されてるが(この作品の監督の撮った別の作品「ビフォア・サンライズ」の主演俳優ですね)。会話はウィットに富んでいて非常に楽しい。哲学を映画にもちこむのは好かれないものだが、誰もが日常において感じる自己と他者、世界についてのテーゼを、難解なジャーゴンを使わずに、しかも深い思索と洞察に満ちた言葉で登場人物に語らせている。この手の作品では数少ない成功作といえるかもしれない。夢を鍵にして哲学にもってくというのが分かりやすいんだろう。黒澤明の「夢」よりずっと深いし、知的だ(ちなみに、黒澤の「夢」のカットが一カ所出てくるシーンあり)。

監督リチャード・リンクレイターは「スクール・オブ・ロック」を撮った人でもある。見てないが、この作品でちと興味をもったよ。

posted by onion_slice at 01:15 | Comment(2) | TrackBack(1) | アニメ
この記事へのコメント
これって、深く静かにも驚く作品でした。

黒澤明の「夢」のシーンが出てくるんですね。
気がつきませんでした。
その視点でまた見ますね。
Posted by アレクサンドリア堀井 at 2007年01月08日 09:25
コメントありがとうございます。
数ヵ月ほったらかしのブログなんでずっと書いてなかったんですが嬉しいです。

同じ監督の撮った「スキャナー・ダークリー」という
映画があって、やはり同じ様なアニメ手法で撮られた
作品のようです。たぶんまだ日本未公開ですが。
Posted by chocolala at 2007年01月08日 13:31
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