2009年06月07日

恋愛睡眠のすすめ

監督ミシェル・ゴンドリー、出演ガエル・ガルシア・ベルナル、シャルロット・ゲンズブール。フランス=イタリア、2006年。

マンションの隣同士に住むことになった内向的な男女ステファンとステファニーの恋愛ストーリー。

恋愛といっても、ゲンズブール演じるステファニーのステファンに対する態度は最後までどこか距離を置いたままで、普通の恋愛映画のようにはなかなか発展しない。
そのステファニーの心をつかみきれないもどかしさ、現実に対して巧く自分をコミットできない不器用さがステファンの夢想の中で奔放さを与えられ、アニメ効果やいろんな特撮ギミックを駆使して表現される。

このへんはさすがミュージッククリップ/CM畑出身だけあって、視覚にぱっと訴えかける大量のアイデアはなかなかのもの。

独特な超現実的質感といい、男女間のすれ違いの淡さといい、「エターナル・サンシャイン」と共通項も多く、「エターナル」が好きな人には大体において満足いく仕上がりになっている。

個人的には、最初は面白いけどだんだん見疲れてくるタイプの映画だった。やはりチャーリー・カウフマンの異常な暴走力をもつスクリプトの助けがないと、いまひとつ映画の面白さを底上げするパワーに欠けるのかもしれない。


posted by onion_slice at 18:22 | Comment(0) | 恋愛
2009年04月26日

巴里の恋愛協奏曲

アラン・レネの昔の作品が好きなので一応見てみたが、タイトルと粗筋から予想される通りのお洒落なフレンチラブコメ以上のものではなかった。

セレブ夫婦を中心とした恋愛騒動を歌を混ぜながら描く本作品は「オペレッタ」と呼ばれる形式。ミュージカルほどくどくないのでこの手のジャンルが苦手な人にも比較的とっつきやすいし、語り口調に限りなく近い軽やかなフランス語のシャンソンを聞いているだけでも楽しい気分にはなる。

残念なことに、楽しい気分以上の映画体験には一歩及ばずだったのは、女主人公2人とオドレイ・トトゥにそんなに魅力を感じなかったせいだろうか。男優陣もいまひとつパンチが弱いか。

でも、80超えてこれだけ陽気でエネルギッシュな作品作れるわけだから、やはり敬意は払いたい。年寄りになっても創作し続けるって素晴らしいですね。


posted by onion_slice at 23:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | 恋愛
2009年04月14日

マッチポイント

2005年作。

ウディ・アレン物は久しぶりだし、何より久しぶりの恋愛映画な気がする。話としては、二股かけて狂気に突っ走る優柔不断男の悲劇という、古典的というか太古の昔から際限なく語られてきたパターン。ウディ・アレン流のシニカルなコメディの味付けがあるかと思いきや、笑いを排したシリアス路線のストレートな演出で、2,3のシーンを除くとアレンが監督とは意識しなくてよい普通の破滅型恋愛ストーリーだ。

古典的なパターンなんだけど、観始めると最後まで気になって観てしまう古典的な面白さがあるのは、誰にでも訪れる可能性のある日常的な悲劇だからかもしれない。

板ばさみになり狂気に駆り立てられていく主人公を見れば、悲劇の結末は大方予測可能なんだけど、最後まで何かが起こり状況をひっくり返さないとも限らない、という、作品にも出てきたネット際のボールのような運任せのハラハラ感は巧く演出されていた。そういう意味で、タイトルに反してテニスシーンはほとんどないわけだけど、納得のいくテニス映画だといえる(苦しいか)。

ドストエフスキーの「罪と罰」とのパラレルは冗長かな。作者がドストエフスキー的なテーマを意識してつくるのは別にいいけど、主人公にこれ見よがしに「罪と罰」を読ませる無駄なシーンを挿むところがウディ・アレンのあまりよくないところだ。

登場人物は非常に類型的で特筆すべきことはないが、クロエ役のエミリー・モーティマー(「ハウル」の英語吹き替え(ソフィー)もやってるとのこと)が真ん中ストライクでした。途中でいったい何度、ジョナサン・リース・マイヤーズに代わってくれと心の中でお願いしたことか。ルヘイン原作の「シャッター・アイランド」でレイチェル役をやるらしいが、コケティッシュなんだけどもろい感じの女性が似合いそうなんで楽しみ。


posted by onion_slice at 00:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | 恋愛
2006年06月24日

エリザベスタウン(2005,米)

オーランド・ブルーム演じる靴会社のデザイナーが新製品で失敗して巨額の損失を出してしまい、恋人にもふられ、自殺しようとしたところへ父の訃報。葬儀に出るためケンタッキーのエリザベスタウンに向かう途上にスチュワーデス(キルスティン・ダンスト)と親しくなり、彼女とエリザベスタウンで出会う人達を通して挫折した人生に希望を見出して行くという話。

はっきり言ってサギ映画だ。脚本がありきたりすぎで何の工夫も感じられない。ブルームとダンストのうさんくさいロマンスは日本のテレビドラマみたいに恥ずかしいシーンの連発で、田舎町の人情味あふれた暮らしの描きかたもサブすぎるアメリカンジョークのノリでまったくセンスなし。
映画分かる人なら最初の1、2分でゴミだと見抜けるはずです。

キルスティン・ダンスト好きだったんで我慢して最後までスキップしながら見てやったけど、かなりキルスティンの株が下がってしまった。キャメロン・クロウは一切映画撮る資格なし。

posted by onion_slice at 17:21 | Comment(0) | TrackBack(1) | 恋愛
2005年12月11日

ビフォア・サンライズ/ビフォア・サンセット(1995,2004,米)

監督はリチャード・リンクレイター。

アメリカから旅行にきた青年ジェシー(イーサン・ホーク)とフランス娘のセリーヌ(ジュリー・デルピー)がブダペストからの列車で意気投合して、ジェシーが翌朝のフライトで帰るまでのたった一夜を恋人のようにウィーンで過ごす「ビフォア・サンライズ」と、それから9年後、作家になってパリに本の宣伝にきたジェシーがセリーヌと再会して、過去の一夜のことと、その後の人生を、今度は夕方のフライトまでのたった数時間だけ語り合う「ビフォア・サンセット」。

それぞれウィーンとパリをジェシーとセリーヌが話しながら歩くだけの作品だけど、そこらの甘ったるくて大げさなラブロマンスにはない自然な演出が素晴らしく、ぜひ二本セットで見てほしい。20代のジェシーとセリーヌのフレッシュな関係と、9年後、お互いに別の相手も見つけ仕事にも打ち込みながら、人生に何か欠落感を感じ、ウィーンで別れた後今まで再会しなかったことを後悔する30代の二人のせつない関係が、素晴らしいコントラストになっています。

「サンライズ」の方は、単独だと平均点以上の恋愛もの、ぐらいの印象だったけど、「サンセット」見た後でそのよさが遡及的に実感できて、もっと好きになった。
「サンライズ」のイーサン・ホークは個人的にしっくりこないが、「サンセット」で多少格好よくなってる。ジュリー・デルピーは文句なしにいい。それにしても、日本映画だとああいう長い言い回しを自然に役者に言わせるっていうのは難しいだろうな。

posted by onion_slice at 17:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 恋愛
2005年12月03日

エターナル・サンシャイン(2004,米)

監督ミシェル・ゴンドリー、脚本は「マルコヴィッチの穴」「アダプテーション」等で批評家受けのいいチャーリー・カウフマン。出演ジム・キャリー、ケイト・ウィンスレット、イライジャ・ウッド、キルスティン・ダンスト他。

互いに嫌気がさしてきたカップルが、それぞれの脳から相手の記憶を消し去るオペレーションを受けるというなかなか面白い着想のラブストーリー。着想も面白いが、物語の時系列をばらしてつなぎかえる手法がかなり凝っていて、最後の最後で納得するまでつねに頭をかき回され、パズルのミッシング・ピースを探し続ける混乱した状態に置かれる体験が刺激的だった。特にクレジットの前の最初のシーンが記憶を消される前なのか後なのか、最後の方まで分からなかったが、記憶消した後偶然二人が再会して惹かれ合うのがあそこなんですね。

記憶消去プロセスのさなか、自分の脳内でつくりだされる記憶の回廊で、恋人クレメンタイン(ウィンスレット)の存在を消すことに堪えられなくなり必死に抵抗するジョエル(キャリー)の混濁した悪夢のような世界がP.Kディックの小説読んでるときみたいにトリッピーな感覚にあふれてていい。カウフマンの脚本あってこその映画だけど、家が崩壊したり医者の顔がのっぺらぼうになって声が金属的なスローモーションになったりといった、悪夢っぽい演出を考えた監督の手腕も見逃せないところだ。

ジム・キャリーって、典型的なお寒いアメリカン・ジョークと疲れるハイテンションだけが売りのコメディアンと誤解してたが(つーか、ろくに彼の映画をみたことがなかった)、こういう抑えた演技もできるんだな、という発見ができた(もう少しはじけててもよかったと思うが)。オレンジだのブルーだのに髪を染めたウィンスレットも悪くないけど私の目はブロンドヘアーがめちゃ美しいキルスティン・ダンストの方に釘付けでした。「ウィンブルドン」見てみようかな。

posted by onion_slice at 13:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 恋愛

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