2009年07月26日

ヒトラーの贋札

監督ステファン・ルツォヴィツキー、ドイツ=オーストリア映画、2007年。

ナチスが連合軍の経済を破綻させるために大量の偽ドル・ポンド札を流通させようとしたベルンハルト作戦を描いた戦争映画。

題材に対する目の付け所は決して悪くないが、映画として構成があまりにも見え透いていて全然面白くないというよくありがちな典型例。

収容所描写もステレオタイプだし、人物も奥行きを欠いたペラペラ描写で、「シンドラー」の雰囲気を拝借して表層だけをなぞってみましたというような中途半端さ加減がむず痒い印象しか受けない。「偽札」というキーワードで多少なりともオリジナリティを出そうとしたようだが、その偽札も取ってつけたような扱いというか脚本上の小道具にしか過ぎないように見えるし、そもそも「ヒトラーの贋札」と銘打って置きながら閣下の姿は片鱗たりとも登場しない詐欺っぷりだ(まあこれはパブリシティ狙いの勝手な邦題が悪い)。

こんなのがアカデミー賞外国語映画賞かよ!アメリカ人はもっと外国映画見ろよ、と張っ倒したくなる愚作。
本の方を読んでいないのでこれ以上はノーコメントにしておこう。


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2009年05月31日

麦の穂をゆらす風

監督ケン・ローチ、出演キリアン・マーフィ他。2006年、UK映画。

1920年代のアイルランドの大英帝国への抵抗運動を描いた作品。
21年の愛英条約を前後にして、かつては一緒に血を流し戦った兄弟と仲間が、条約に対する政治的立場の違いから敵味方に別れて殺しあう悲劇へと突き進んでいく。

重要なテーマだし素材はいいと思うが、演出がどうもベタすぎるな。
引き裂かれた兄弟愛みたいなのをこれみよがしに盛り込んでるせいか、感動の押し売りが多少鼻につく。

それと、テディが拷問の後に抵抗運動から身を離していく転向についてももう少し描写がほしかったところで、条約に対する兄弟陣営の議論のシーンひとつで済ませて一足飛びにお互い分かれて戦うことになるっていうのがぎこちなく感じた。

悪い映画ではないけれど、感動ドラマの厚化粧が濃いのと、演出技巧的に粗さが目に付く。一応2006年カンヌのパルムドールなのだが。


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2008年11月15日

チャーリー・ウィルソンズ・ウォー

ソ連の侵攻に抵抗するアフガン・ゲリラへの武器供給の拡大に画策したテキサス出身下院議員チャーリー・ウィルソンの実話に基づくストーリー。

アメリカが公式に最新武器を供給することで米ソの「冷戦」が「実戦」にならないよう、ウィルソンとCIAエージェントが主体となりイスラエル、サウジにエジプト他アラブ国家を巻き込んで極秘裏に武器調達作戦を進めるプロットがなかなか面白い。戦争映画は多くあれど、この作品は戦争の裏で蠢く政治と金の流れをコメディタッチで描いていて、戦争映画としても良い出来だしコメディとしても良い。

ウィルソン演じる主演トム・ハンクスの独り舞台でも十分鑑賞に堪える作品になったと思うが、CIAエージェント役にフィリップ・シーモア・ホフマンを当てていることでより面白くなってる。あの根暗感全開の風貌でぶつぶつ呟くようなキャラはずっと観ていても飽きない中毒性がある。ハンクスとホフマンの初対面シーンの掛け合いは結構笑えた。


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2008年01月14日

硫黄島からの手紙

「父親たちの星条旗」より2作目のこっちを推す声が多いが、やはり日本側からの視点で描かれていることだけあり、深く共感するところが多かった。アメリカ映画にありがちな偏った日本のイメージも特になく、ここらへんのフェアな視点はさすがイーストウッド。

心情に訴えるドラマ仕立てになっているので、硫黄島をめぐる戦争のディテールがかなり荒っぽく削られているのは仕方ないが、個人的には、硫黄島戦最大の醍醐味である地下壕モグラ作戦をもう少しクローズアップしてほしかったのと、すり鉢山陥落があっさりしすぎなのは多少残念。
海軍主導の水際迎撃作戦の撤回から地下壕構築による「一人十殺」の歩兵戦闘への転換という、栗林中将が指揮においてカリスマ性を発揮する天才軍人ぶりをもっとよく知るには柘植久慶の「栗林忠道」がお勧めです。

それにしても、本土から見捨てられたこの孤立した島で、死ぬ以外に何の選択肢もなく若い命を散らしていく兵士の恐怖は想像を絶する。自分だったらとにかく隙をついて逃げることしか考えないんじゃないか、と映画を見ている間何度となく思ったが、投降しても撃たれるし、洞窟のどこかに隠れるか死んだふりし続けても、食料もない、水もない(それでも、あの手榴弾自爆を選ぶぐらいなら餓死の方がましだ)。
危険の届かない作戦室から、物資も援軍もよこさず使い捨て兵士に玉砕させるだけの大本営の無能ぶりはすさまじい怒りを覚えるし、こうした狂気の状況がたかだか60余年前のことだと思うと背筋がぶるっとする。





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ホテル・ルワンダ

久しぶりに、すばらしいとしかいいようのない映画を見た気がする。頭で理解するのではなく、ただハートで感じることを迫られるというか、画面の前で、ストーリーがどうだの演出がどうだの役者が2流だの、批評家っぽいことをたれる余地が脳の中に発生せず、作品があまりに強烈な語りかける力を持っているためその中に純粋に没入してしまう、そんな体験。

ルワンダ内乱で大量に発生したフツ、ツチ族両方の難民を残虐な民兵から守るホテル・マネージャー、ポール・ルセサバギナ。弱気そうな人柄の下に、使命感の強さととんでもない勇気をもった人物をドン・チードルが演じる。「アフリカのシンドラー」とも呼ばれるルセサバギナの偉大な人物像を描いただけで十分すばらしい映画だが、だんだん泥沼化していくルワンダをあっさり見捨てる国連とか、フツ族に武器を供給しているフランスだとか、政治の汚い内実を的確にとらえた視点もまた鋭い。

監督はテリー・ジョージという聞いたことない人だが、この一作だけで
メガトン級の文化的貢献を果たしていると思う。

ホテルの経営会社オーナーをジャン・レノが演じたり、虐殺スクープ映像を世界に発信するが、結局ルワンダ救済のために西側諸国を動かせず無力感に打ちのめされるジャーナリストをホアキン・フェニックスが演じたり、ちょい役のキャスティングもなかなか面白い。

忘れがたい一作になりました。



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2007年12月31日

父親たちの星条旗

クリント・イーストウッドの硫黄島2部作パート1をようやく見た。

戦闘シーンの出来は「プライベート・ライアン」に匹敵するレベルで、スピルバーグがプロダクションに関わっているだけはある。戦闘シーンだけで2時間でも見続けられそうなクオリティ。アメリカからの視点と日本側の視点と別の2作品になってるとはいえ、日本軍の描写がほとんどないのがちょっと気になるが、敵がどこに潜んでいるかわからない戦場の不気味さがよく演出されているのでまあ許せる。

戦闘シーンの衝撃さが強烈なせいか、ドラマの部分はやや平板。「ミスティック・リバー」とか「ミリオンダラー・ベイビー」のように、心を揺さぶってくるようなメッセージはあまり伝わらず、いまひとつ映像も脚本も説得力に欠ける。このへんのゆるいヒューマニズムもスピルバーグの「プライベート・ライアン」を受け継いでしまってるのかもしれない。

「硫黄島からの手紙」の方は年明けに見る予定。
今年はあまり映画見なかったが、サラウンドヘッドホン買ったのでまたどんどん見たい。よいお年を。


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2007年12月30日

サラウンドヘッドホンで大迫力の「300」

ソニーのサラウンドヘッドホンを購入。



マルチチャンネル分の高額スピーカー買って、狭い部屋に無理してサラウンドシステム組まなくても、ヘッドホンだけでサラウンドっぽく(あくまで「っぽく」です)聴こえてしまうスグレモノです。しかも、ドルビーデジタル(5.1ch)で収録されているソースを7.1chに広げる機能までついているからすごい。さらにワイヤレスになっていて、DVDプレーヤーからプロセッサ(Wiiより一回り小さいくらいの据え置きユニット)に付属の光デジタルでつないでしまえば、後は部屋のどこにいても無線で飛ばしてくれる。
こんな便利な商品があったのですね。

本当にヘッドホンでそこまでのサラウンド感が可能なのか?と半信半疑だったが、DVD「300」を借りてきて早速試して驚いた。レオニダス率いる300人のスパルタ兵士がテルモピレーでペルシア軍を迎え撃つシーン。剣と盾、鎧・冑がぶつかり合う金属音や、兵士の肉が裂け血しぶきが上がる音が、まさに自分がその光景の中心にいるかのようにサラウンドで聞こえてくる。戦闘の後、死骸に群がって周回するハエのぶんぶんいう低音も不気味なリアルさでうなっていて、これはただのステレオサウンドでは確かに表現不可能。あと、ペルシア王クセルクシスの来訪をつげに部下が馬でやってくるところも、はっきりと頭の後方から聞こえた。

ホームシアターとはいわないが、プチホームシアター程度の臨場感は味わえた。やはりオーディオ環境をよくするだけでだいぶ映画の迫力が違いますね。今年はテレビにPCに携帯にWiiに、いろいろ買ったけどこのワイヤレスヘッドホンはいちばん満足度が高かった気がする。はー、2008年は次世代DVD導入してドルビーのTrue HDで聴いてみたいよ。でもソフトが充実してくるまでは見送りだな。

そんなわけで「300」の内容もちょっと触れとこう。さすが「シンシティー」のフランク・ミラーのグラフィックノベルがベースだけあって、ビジュアル的なインパクトは第1級。昔、歴史の授業で確かに「テルモピレーの戦い」とか出てきた気がするけど、教科書で数行の記述しかない戦闘も、ハードな暴力描写がフル回転の映画で見ると記憶への残り度合いが段違いだ。
ペルシア軍にやたら顔・体が畸形っぽい化け物風の描写が目立つのはちょっと気に入らないけど、ハリウッドの白人どもにこのへんの意識改革をいくら求めても無理だからスルーするしかない。ただ、クセルクシスだけは悪ながらスタイリッシュというか、顔中ピアスしてフフンって感じに上から目線ないでたちはJOJOのボスキャラっぽい風格がある(手下が自らの体で踏み台をつくった上を降りてくる登場の仕方なんかもそうだが)。

グラフィック以外の目新しさはないが、戦闘シーンだけでも見てみる価値はある作品だと思う。「シグルイ」みたいな残酷描写が好きなら割とおすすめ。



posted by onion_slice at 16:23 | Comment(0) | TrackBack(1) | 戦争
2007年09月09日

プライベート・ライアン

ノルマンディー上陸作戦でドイツ軍の攻撃を避けるために海に潜っても、銃弾が水中を進んで結局殺されてしまうシーンが見たくて借りた。「ディアスポリス」つーマンガで、角度をつけて着水すれば威力のある弾丸ほど破裂するから水中は無事なはずだと言ってたのだった。

真偽はともかく、この冒頭20分程度の戦闘シーンがもつ逃げ場のない恐怖感はすごい。手足や内蔵がスプラッタ映画のように弾け、オマハ・ビーチは血をどっぷり含んだ波が延々とよせてきて無造作に転がる死体の山を押し流す。ラストの橋をめぐる戦車・自走砲を交えた大激戦も迫力だけどこれぐらいの迫力なら「ブラックホーク・ダウン」とか「フルメタル・ジャケット」とか、他の戦争映画にも見いだせる。しかし海岸の戦闘の、超自然的な力が人命を瞬時に奪って行くような、有無を言わせない無慈悲な殺戮パワーの描写は他に比類がない。

映画の最初と最後の、戦場を生き延びた老ライアン(マット・デイモン)がミラー中尉(トム・ハンクス)の墓を訪れるやや安っぽい情景はあまり好きになれないけど戦争映画としてはやはりすごい。


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2007年04月16日

ブラックホークダウン

テレビでやってたので見た。

ソマリア内戦介入でゲリラ捕獲作戦が失敗し、2機のヘリを撃墜され地獄のような市街戦に投げ出される米軍。

戦闘描写のリアルさがウリで、軍事マニアには圧倒的な支持がある半面、人間の描写がなっていないとか、アメリカのプロパガンダだとかドラマ的な視点から見てアンチな意見も根強い(
井筒が筆頭者らしいけど)。

まあアメリカ重視の視点というのはファイナンスの問題や、米軍からの撮影サポート、公開時期が同時多発テロの年だという諸々の事情があるわけなんで差し引いて見るべきとは思う。人間の描写が薄いというが戦場にドラマなんて求める必要もなく、凡庸なドラマが描く人間関係なんてものは爆弾1個の前では無に等しい。それよりもあのすさまじい戦闘状況で1瞬1瞬を生き延びようとする兵士の本能的な意志を映像によって伝えることの方がよほどリアルに感じる。
その点で個人的にはこの映画を評価できるし、戦争の善悪を裁くつもりはないというリドリー・スコットの姿勢も納得する。

ひとつ減点があるとすれば、めまぐるしく戦闘シーンが切り替わるし、わりと登場人物多くて皆な同じ迷彩服だから誰が誰で、どこで何をしているのかを正確に追うのがなかなか難しい。そういう意味でも繰りかえして見るべき作品なんだろうけど。

あと、リドリーだと優等生すぎるんで、血みどろの凄惨なシーンでもどこか小奇麗にまとめられているような印象を受ける。どっちかというとこの手の作品はトニー・スコットの方が手腕が上だという気も若干するかな。





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2007年04月08日

ジャーヘッド

これもちょっと古いネタですが。正月に別のブログに書いたやつを流用。

監督は「アメリカン・ビューティー」「ロード・トゥ・パーディション」のサム・メンデス。主演はジェイク・ギレンホール。

湾岸戦争で「砂漠の嵐」作戦に携わった若い兵士の回想録に基づいた作品。戦争映画だがド派手な銃撃戦、最新兵器のオンパレードといった描写はほとんどなく、例えば「ブラックホークダウン」のファンなんかは肩すかしを食うかもしれない。
しかし、歩いても歩いても先の見えない砂漠で、いつ敵と遭遇し命を奪われるかもしれない状況で、実際の戦闘経験をもたない兵士たちが感じる恐怖や不安、狂気はたっぷり伝わってきて、まぎれもない戦争映画になっている。

米軍の「殴り込み部隊」とも言える海兵隊のスパルタ描写もよく出来ていて、ジェイミー・フォックス演じるサイクス軍曹は「フルメタル・ジャケット」のハートマン軍曹を思いだしてしまう。

短期間で終わったハイテク戦争のイメージが強い湾岸戦争についての作品はどうしてもドラマになりにくいところだけど、実際に戦地に行った兵士の視点から描かれているのでリアルな作品に仕上がっている秀作です。




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2006年07月16日

ロード・オブ・ウォー(2005,米)

ウクライナ移民で、世界をまたにかける国際武器ディーラーに上り詰めた実在の人物ユーリー・オルロフの生涯を描いた作品。監督は「ガタカ」のアンドリュー・ニコル。

インターポールに目をつけられ、美人の奥さんに秘密にしていた自分の職業を嗅ぎ付けられ家族崩壊の瀬戸際に立っても武器を売り続けることをやめようとしないオルロフの動機は金でも政治的信念でもなく、武器を売るのが自分の才能だからだ、という視点はなかなか面白く、ニコラス・ケイジのとぼけた風貌が役柄にマッチしている。

オルロフ自身、罪深いことをしていることを認識しながら、アメリカをはじめとする5つの巨大国家(国連安全保障理事会の5大国)が輸出する武器の量に比べたら自分の行っているのは個人的なビジネスに過ぎない、と武器商売を正当化する。オルロフのロジックに共感はできないが、こうした武器商人がテロリストに武器を供給し続けるのをやめさせるには、国家が率先して武器売買をやめるべきだというメッセージは伝わってくる。

ハリウッドの主要スタジオすべてにファイナンスを拒否られたというほど、反骨精神にみちた過激なテーマを扱った点は手放しで評価するし、実際面白い作品ではあるけど、妻に去られたり弟がヤク中になったりといったドラマ的伏線は月並みだったな。ドキュメンタリー仕立てでつくればもっと興味を引く作品になった気はするんですが。

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2006年02月04日

ミュンヘン(2005,米)

1972年のミュンヘン・オリンピックでイスラエルのアスリート11人を殺害したアラブの過激派。その復讐に、イスラエル政府は5人の民間人を選び出しアラブの実行犯を殺害する任務を与える。

互いに素性も知らない素人ヒットマンたちが集まり、何の情報も与えられずヨーロッパに投げ出され、自力でターゲットの実行犯を探し出し一人ずつ暗殺していくプロットは、フォーサイスのスパイ小説を思わせるようなスリラー風の味付けが単純に面白い。特に、最初はターゲットに遭遇しても怖くて引き金すらひけない主人公達が、一人殺すたびに殺しの味を覚え仕事に誇りを抱いていく姿はよく描かれている。爆弾の製造につねに失敗するマシュー・カソヴィッツ(「憎しみ」「クリムゾン・リバー」でおなじみのフランス人監督&俳優)の役回りなんかもコミカルなディテールだ(ただ、他のメンバーの描写は表層的で共感をもてないのが残念)。

そんな前半とは対照的に、後半では、ターゲットを殺しても後がまが次々現れ、仲間にも犠牲が出、殺しの連鎖がエンドレスになっていき、エリック・バナ演じる主人公たちに焦燥感と、自分たちの行っている行為が本当に意義あることなのか、という疑念が生まれる。中東の終わらない血の応酬、また、イラクでサダム・フセインを打倒した後も止まるどころかかえって泥沼化する暴力の連鎖への、アメリカの憔悴感を象徴するような重々しい空気が映画に立ちこめる。暴力シーンはかなり血なまぐさく、こうした恐怖が日常化しているイスラエル、パレスチナやイラクに対して意識を向けさせる映像表現は見上げたものがある。

「ET」とか「未知との遭遇」とか「ジュラシック・パーク」といったクソ映画への先入観があるせいか、スピルバーグの作品が好き、というのはためらわれるものがあるけど、「シンドラーのリスト」や本作のようにシリアス路線は意外と撮れる監督である。「ミュンヘン」はかなりいい線まで行ってる。最後の30分をカットすればもう少しよかったかな。エリック・バナが良心の呵責に苛まれるシーケンスはかなり月並みでくどい。特に、奥さんとセックスしながら頭の中でオリンピックでの虐殺シーンを思い描いているという大昔の文学的シンボリズムに毒された恥ずかしいシーンは他の良い部分をかなり台無しにしてしまってる。

前半に比べると後半のテンションはやや落ちるけど、久しぶりに金出して劇場で見た価値のある映画でした。

posted by onion_slice at 23:43 | Comment(0) | TrackBack(1) | 戦争

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