2010年06月13日

刑事コロンボ「策謀の結末」

原題"The Conspirators(1978)"、出演クライヴ・レヴィル。

詩人ジョー・デヴリンはIRA活動家という裏の顔をもつ。アイルランドの闘争のために武器調達を画策するが、武器商人が裏切り者だと分かり処刑をする。

詩とウイスキーを愛し、自らの政治信念に基づき罪をおかす犯人。コロンボの追求にユーモアあふれる人柄で応じ、臆することなく冷静に銃器調達と密輸に奔走する大物ぶりが最終回にふさわしい。

ピンボール、ダーツ、即興誌、飲み比べなど敵の懐に入りながら、相手の癖や思想を研究し、動機や現場の状況解明へつなげていく推理の実践的手法もコロンボの王道スタイルで、満足いくものだった。

ということで全エピソード制覇達成。

エピソード満足度:8/10
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2010年06月05日

刑事コロンボ「秒読みの殺人」

原題"Make Me a Perfect Murder(1978)"、出演トリッシュ・ヴァン・ディヴァー。

TV支局長の愛人であるチーフアシスタント。本社に栄転する支局長から一方的に別れを告げられ、狙っていたポストも与えられないと知り、殺しを決意。

フィルムのつなぎを利用して時間をつくるアリバイは面白い。短い時間で、自分でレコーダに吹き込んだアリバイ用時間のカウントダウンを聞きながら沈着冷静に殺人をこなす女犯人が渋い。

しかし、その後の展開は刺激に欠ける。コロンボもあまり本気を出さず、単純な引っ掛けで勝利してしまう。銃を握った手袋をその辺に放り出すとか、エレベータの中でトラップの銃を取ろうと、舌でべろんと唇を舐める必死な形相など、殺人の仕方は用意周到なんだけど、どこか抜けている。コロンボに敵対心をぶつける激しさも、コロンボと知性的に張り合うエレガントさもない。

薬物中毒と思われるTV女優との親しい仲とか、レズビアン的関係をほのめかしているのかなんだかよく分からないが、筋書き上ほとんど関係ないのもよくない。トリッシュ・ヴァン・ディヴァーのルックスがよいので見れたが、100分のエピソードにするにはきつい気がする。

いよいよ次回で最終回か。2009年正月から見初めて、もう2010年夏だという。

エピソード満足度:5/10
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2010年05月30日

刑事コロンボ「さらば提督」

原題"Last Salute to the Commodore(1976)"、出演ロバート・ヴォーン。

造船会社の社長である娘婿の経営手法に反対する、会社のオーナーのスワンソン提督が何者かに殺害される。

めずらしく、真犯人がラストまで明かされない。最初の容疑者でゲストスター扱いの役者が途中で死ぬという大胆な構成になっている。

第1容疑者不在のなか、登場人物間の不信や錯綜する動機を示され、段々頭がごちゃごちゃになった状態でのコロンボによる真相解明はなかなかのカタルシスだった。

エピソード満足度:8/10
posted by onion_slice at 12:38 | Comment(0) | TVシリーズ
2010年05月23日

刑事コロンボ「魔術師の幻想」

原題"Now You See Him(1976)"、出演ジャック・キャシディ。

過去にナチ党員であった魔術師。ナイトクラブのオーナーに脅迫され、マジックの出し物の最中に殺害する。

犯人がマジシャンということで、もう少しハイレベルなトリックを期待した。無線を利用した錯覚では少し物足りず。「殺しの序曲」ぐらい大掛かりなトリックをコロンボが解読するのが見たかったかな。

数当てのトリックは小ネタに使えそうなので覚えておきたい。でも、複数人相手に連続で披露したらあっさりバレること間違いない。

エピソード満足度:6/10
posted by onion_slice at 12:42 | Comment(0) | TVシリーズ
2010年05月16日

刑事コロンボ「仮面の男」

原題"Identity Crisis(1975)"、出演パトリック・マクグーハン、レスリー・ニールセン。

CIAエージェントのネルソン・ブレナーは知り合いのエージェント「ジェロニモ」から、過去にはたらいた二重スパイの件で脅迫を受け、任務のさなかに追いはぎの手にみせかけて殺す。

マクグーハンとニールセンがCIAエージェント(オペレータ)として登場。

容疑者も被害者も身元を隠した秘密の人物という状況の中でコロンボが事件の核心に近づいていくにつれ、犯人がCIAのキーマンというポジションを利用して捜査妨害をしていく対決面での面白さが魅力だ。マクグーハンの犯人役はさすがに安定していて、知的なバトル終焉時の、負けを認める引き際のよさは独特な風格が漂う。

よくないのがラストのジョークのシーンだ。日本語聞いてもちんぷんかんぷんだが、検索すると翻訳がかなりまずいことが分かった。再放映にあたりなぜ直さなかったのだろうか。「マージャン→中国→オリンピック不参加表明→アリバイ崩し」という、事件を解く鍵となった要素が詰まっている質の高いやりとりなだけに、相当失望する。やはり吹替えはよくないと思い知らされた。

エピソード満足度:8/10
posted by onion_slice at 16:14 | Comment(0) | TVシリーズ
2010年05月08日

刑事コロンボ「忘れられたスター」

原題"Forgotten Lady(1975)"出演ジャネット・リー。

かつてのスター女優がミュージカルへの復帰を図るが、当てにしていた資金を元医者の夫から断られ、自殺にみせかけて殺す。

推理面での面白さはあまりないが、ラストの展開は非常に胸を打つ。自分が殺したことも覚えていないと思われるグレースが、大好きなミュージカルの映画に無邪気に見入っている姿は、コロンボの全エピソードの中でもっとも切ない気分になった場面かもしれない。

必然的に、コロンボを演じたことも覚えていないというピーター・フォークの現在に思いが至り、こみあげてくるものがあった。

エピソード満足度:6/10
posted by onion_slice at 20:27 | Comment(0) | TVシリーズ
2010年05月03日

刑事コロンボ「二つの顔」

原題"Double Shock (1973)"、出演マーティン・ランドー。

資産家の老人が若い女と結婚し、死んだ場合の財産がすべて妻に受け継がれることを知った甥。遺産の行き先について謀略をめぐらし、叔父の入浴中にミキサーを投げ入れ感電死させる。

容疑者は双子でともに動機をもち、どっちが殺したのか目星がつかないなか、現場を徹底的に分析して考え抜き、犯人を断定しうる状況証拠を突きつけるコロンボ。トリックに派手さはないが、数学の命題を証明するような鮮やかな推理の流れがよい。

放送順序がランダムだったが、これで第4シーズンまでの放映分をコンプ。あと6話ぐらいなんですね。

エピソード満足度:7/10
posted by onion_slice at 16:39 | Comment(0) | TVシリーズ
2010年04月24日

刑事コロンボ「ロンドンの傘」

原題"Dagger of the Mind(1972)"、出演リチャード・ベイスハート、オナー・ブラックマン。

「マクベス」を演じる役者夫婦。妻の色仕掛けで著名なプロデューサー、サー・ロジャーに迫り公演のための金を出させるが、利用されたと知り激怒し楽屋に押しかけてきたサーをはずみで殺してしまう。

舞台はロンドンで、スコットランドヤードの捜査方式を見学にきたコロンボが偶然巻き込まれる設定。

コロンボと犯人夫婦の絡みは少ないわりに、作品の尺は100分近くあり長いのだが、長さを感じさせない持続する面白さがある。これは、直接対決シーンこそ抑えられているが、タイトルにもなっている傘をめぐる犯人とコロンボの綱引きの攻防戦の展開が見事だからだろう。ロンドンの雨というイメージにもぴったりで、単なる小道具にとどまらない象徴的な効果を挙げている。

最後の証拠のでっち上げも、コロンボのブラフで押し切るダーティな面が全開で好きだ。犯人が殺人を隠すためのトリックではなく、証拠がない状況で犯人を嵌めるためにデカが使うトリック。現場で多数の犯人と知能のぶつけ合いを続けてきたからこそ、犯罪者の悪知恵を自分の武器として吸収し応用する特異な能力が形成されたといえる。

ちなみに犯人の夫の方は、フェリーニの「道」でアンソニー・クインに殴られるあの道化の人だ。最後の、マクベスさながら狂気に落ちて行く演技が印象深い。

エピソード満足度:9/10
posted by onion_slice at 00:37 | Comment(0) | TVシリーズ
2010年04月17日

刑事コロンボ「死者の身代金」

原題"Ransom for a Dead Man (1971)"、出演リー・グラント。

名声と金への欲からベテラン弁護士と結婚し自らのキャリアに弾みをつける女弁護士。正体に気づき離婚を持ち出した夫を殺し、偽装誘拐を企て、身代金は自分の懐に回収する。

シリーズ化する前のパイロット版2作目。
リー・グラント演じるいかにもやり手な感じで、相当腹黒く肝の据わった女犯人との対決は面白い。隙のない犯人に対して、仲の悪い義娘をダシに使って探りを入れるコロンボ。義娘もヒステリックで扱いづらいのだが、その暴走しやすい性格を利用して大胆な芝居を仕掛ける。その芝居は、犯人の計算高い性格を熟知しているからこそ打てるもので、コロンボの捜査スタイルの際立った特徴の一つである、人の心理を巧みに操る能力のすごさを証明するエピソードだった。

犯人や事件の関連人物のプロファイリングを、ハンニバル・レクターも真っ青というぐらい常に頭の中でフル回転処理し、さまざまな「詰み」の状況を編み出していくコロンボ流儀。何とかして自分の仕事や生き方にも知恵として役立てたいと思う今日この頃だぜ。

エピソード満足度:8/10
posted by onion_slice at 00:35 | Comment(0) | TVシリーズ
2010年04月10日

刑事コロンボ「殺人処方箋」

原題"Prescription:Murder(1968)"、出演ジーン・バリー、ニナ・フォック、キャサリン・ジャスティス。

精神科医が患者である愛人と組んで妻を殺す。コロンボの初回作品。

パイロット版ということもあるのか制作側の気合がびんびんに伝わる。かなりの長編でコロンボの登場まで時間がかかるのだが、犯行現場に戻る犯人の後ろから葉巻くゆらせて現れるシーンは印象深い。さすがにいろんな意味で若い。

風貌はぎらついてるし、捜査方法もシリーズ版に比べると直球勝負という印象を受ける。70年代以降定着するとぼけた捜査スタイルの萌芽は感じ取ることができるが、意表をつく変化球・隠し玉はまだまだ少なく、ひたすら食いつき、犯人のミスをあぶりだそうとする。シリーズの大部分を見終えて若きコロンボに出会うと、このひたむきさがかえって新鮮で、1時間40分という尺も気にならない。

犯人も、知性の高さという点でコロンボ史上トップではないだろうか。ほのめかしを撥ねつけて、証拠を握れないコロンボを逆にこけにする冷静さ。見ているほうは、なんとしてでもコロンボに打ち負かしてほしくなる。

証拠が出ない以上、必然的に自白せざるをえない状況を作り出すことになるわけで、コロンボ得意のトラップで決着をつける。正直、ドレスとか部屋の状況とかから、何らかの物的証拠をつかめそうな気はして、そういうどんでん返しも最後まで期待していたのだが(70年代以降のコロンボなら犯行現場をもっと分析できていたはず)、まだ少し青いところのあるコロンボと、知性の高さで互角に渡り合う犯人との決着としては、納得のゆくものだったと思う。

エピソード満足度:9/10
posted by onion_slice at 00:25 | Comment(0) | TVシリーズ
2010年04月02日

刑事コロンボ「ルーサン警部の犯罪」

原題"Fade in to Murder(1976)"、出演ウィリアム・シャトナー。

ドラマの名刑事ルーサン役ウォード・ファウラー。かつての愛人でもあるプロデューサーに弱みを握られ、ギャラの半分を奪われることに耐え切れず殺しを決意。

コロンボお得意のおとぼけ芝居で犯人の懐に入ろうとするが、犯人も負けじととぼけてルーサン警部を演じ、コロンボと一緒に推理合戦を行う。被害者の夫があやしいとけしかけたり、ファウラー自身を重要容疑者とみなし動機をコロンボにちらつかせたりなど、なかなかのトリッキーな展開。

コロンボの追求にも決して逆上せずにユーモアたっぷり返す紳士ぶりがグーなウィリアム・シャトナー。IMDbで調べたけど、作品内で言及されているようなチビでは全くない。むしろ、コロンボが見えはって自分を中背というのが面白かった。そしてそのコミカルなシーンの掛け合い相手(被害者の行きつけの食料品やのおやじ)がチャイニーズ・ブッキーでベンギャザを締め上げるあのノッポのギャングで、フォークとの貴重な絡みを見ることができたのがうれしい。

エピソード満足度:8/10
posted by onion_slice at 23:33 | Comment(0) | TVシリーズ
2010年03月27日

刑事コロンボ「5時30分の目撃者」

原題"A Deadly State of Mind(1975)"、出演ジョージ・ハミルトン、レスリー・アン・ウォーレン。

精神科医コリアーは、患者ナディアと関係をもつが、ナディアの夫にばれたことから追い詰められ、暖炉の火かき棒で衝動的に殴りつけ殺してしまう。

推理面、対決面、ドラマ面の3拍子で面白い良エピソードだと思う。
精神的に不安定なナディアを共犯に仕立てた挙句、疑いをもったコロンボの目をそらさせるために催眠術で自殺に追いこむ非道なコリアー医師。コロンボは犯行現場に残されたライターの石という小さな手がかりからコリアーの犯罪を確信しているが、証拠を挙げるまでにいかない。そこへ、唯一の証人が現れるが、目が見えず犯人の顔を目撃してはいない。この証人を使っていかに犯人を嵌めるのか。
このラストの嵌め技の鮮やかさはコロンボの全エピソードでもベスト5には入るのではないだろうか。

犯人役は、新シリーズ「犯罪警報」にも出ていたジョージ・ハミルトン。さわやかだがどこか憎たらしい顔つきが個性的だ。

エピソード満足度:8/10
posted by onion_slice at 20:32 | Comment(0) | TVシリーズ
2010年03月20日

刑事コロンボ「攻撃命令」

原題"How to Dial a Murder(1978)"、出演ニコル・ウィリアムソン。

心理学者メイソンが浮気をした妻を殺害。数ヵ月後、浮気相手で知人の男をドーベルマン2匹に襲わせて殺す。

犬を特定の言葉に反応させ人を襲わせるというだけのトリックで、単純明快だが、その特定の言葉が「市民ケーン」の有名なローズバッドだというのがなかなか面白い。そして、「ケーン」のOPに影響された邸宅の門構えの話をするうちに自分からその言葉をうっかりしゃべってしまう犯人は、コロンボが最後にがっかりしたというように、他のエピソードの殺人者に比べて、相手を出し抜く狡猾な知性と用心深さが欠如しているように思う。しかし、それも映画への愛情からくるものなのでどこかほほえましい。殺しの動機が同情を誘うということもあり、見ていて憎めないタイプの犯人だった気がする。

犯人が追い詰められてコロンボを殺そうとするレアなエピソードでもある。オチは予想した通りだが、ヒッチコックっぽい演出でなかなかよいと思う。

惜しい点は、犯人の家に居ついていて事件の第一発見者である女性の役どころが中途半端なところか。

エピソード満足度:7/10

posted by onion_slice at 20:34 | Comment(0) | TVシリーズ
2010年03月13日

刑事コロンボ「悪の温室」

原題"The Greenhouse Jungle(1972)"、出演レイ・ミランド。

甥の信託財産を引き出すため狂言誘拐を仕組み、金を手に入れた後は彼を殺す栽培家の話。

推理面、対決面、ドラマ面三拍子そろって大して面白くないエピソードで、感想がほとんどない。犯人が栽培家である必然性が薄いのと、甥を殺して金を奪う行動の裏に潜む屈折した人間性というのが見えてこないのが残念。

エピソード満足度:4/10
posted by onion_slice at 21:19 | Comment(0) | TVシリーズ
2010年03月06日

刑事コロンボ「死者のメッセージ」

原題"Try and Catch Me(1977)"、出演ルース・ゴードン。

女流推理作家アビゲイル・ミッチェルは、自分の姪がその夫エドモンドに殺されたと疑っており、エドモンドに自分の財産分与の話を持ちかけ油断させ金庫に閉じ込めて酸欠死させる。

おそらくコロンボのエピソード中、最高齢の犯人か。製作時に実年齢80に達しているルース・ゴードン。しわくちゃのおばあちゃまだがなかなかかわいらしく、コロンボとの知力対決も見ごたえがある。

トリックは、犯罪小説の書き手だけあって用意周到かつしっかりと自分のアリバイを確保している。しかし犯人の車のキーを金庫内に残せなかったのが過ちで、そこにコロンボがサメのようにくらいつく。

ダイイング・メッセージの真実も感心した。閉じ込められた人間が残した死に際の執念のリアリティがよく出ているように思う。

エピソード満足度:7/10
posted by onion_slice at 20:42 | Comment(0) | TVシリーズ
2010年02月27日

刑事コロンボ「ホリスター将軍のコレクション」

原題"Dead Weight(1971)"、出演エディ・アルバート、スザンヌ・プレシェット。

朝鮮戦争の英雄ホリスター将軍は退役して、軍事関連の会社を営んでいる。調達部と組んで実行してきた不正取引の数々が暴露されそうになり、密告する恐れがある関係者の大佐を銃殺する。

トリックは、えっ、これだけ?という感じだった(そもそも邦題が露骨なネタバレなのでやめてほしい)。どちらかというとドラマ要素に力を入れた脚本で、珍しく事件を目撃する人物がいる。しかしこの唯一の目撃者である女は犯人に言い寄られて熱を上げ、せっかく動き出した捜査を暗礁に乗り上げさせてしまいそうになる。

この女目撃者の馬鹿さ加減はともかく、スザンヌ・プレシェットはかなりの美形。そしてお相手はエディ・アルバート。戦争映画「攻撃」で演じた、コネだけで地位を手にした卑劣なチキン軍人が忘れがたい。ホリスターも似た様な人間性で、こうした役回りが似合う。

エピソード満足度:6/10
posted by onion_slice at 20:32 | Comment(0) | TVシリーズ
2010年02月20日

刑事コロンボ「偶像のレクイエム」

原題"Requiem for a Falling Star"(1973), 出演アン・バクスター。

かつての大女優ノーラ・チャンドラーは、知人のルポライターであるジェリー・パークスに恐喝をされる。彼女は帳簿をごまかして撮影会社に損失を負わせていた。しかしそれ以上に大きな秘密を抱えており、その秘密はノーラの秘書ジーンしか知らない。ジーンに接近するパークスに恐怖を感じたノーラは、パークス狙いで手違いが起きたように見せかけジーンを殺害する。

コロンボでも珍しい大女優クラスの出演。さすがに演技力は際立っている。とくにラストの噴水をめぐる演技は鬼気迫るものがあった。

夫の写真をコロンボが見て、ノーラが話題をそらしたがっているあたりで真の動機は何となくつかめるのだが、パークスに捜査(と視聴者)の目を注がせてジーン殺しの真相を煙に巻いたまま、ラストで一気にディスチャージする手法がよい。そして、コロンボ相手にこれだけの大掛かりなミスリードを行う犯人役はアン・バクスター・クラスの大女優でなければならなかった、というところだろうか。

エピソード満足度:8/10
posted by onion_slice at 20:39 | Comment(0) | TVシリーズ
2010年02月13日

刑事コロンボ「黄金のバックル」

原題"Old Fashioned Murder(1976)"、出演ジョイス・ヴァン・パタン。

ルース・リットンがオーナーをつとめる美術館は経営難に陥っている。ルースの弟で理事のエドワードは美術館を売り払うことを決意し、彼らの姉のフィリスも説得に応じるだろうと告げる。ルースは美術館の売却を防ぐために、借金を背負った警備員を利用してエドワード殺害を企てる。

直接の動機は美術館売却だが、犯人の女性と姉、姉の娘という女のトライアングルでの愛憎劇が事件の通奏低音をなしていて、他のコロンボエピソードに比べて比較的ドラマとしての深みが際立っている一作。

トリック・推理面でもなかなか楽しめた。打ち合いで警備員(強盗)とエドワードがともに死んだと見せかけた犯行現場で、誰が電気を消したのか、という疑問に始まり、犯人の腕の予防接種痕から海外逃亡のシナリオを予測し、そのシナリオを描いたと思われる冷静な女館長を追い詰めていくコロンボの鋭い捜査スタイルが堪能できる。

警備員の足跡を追ってコロンボが流行のヘアスタイルにしてもらうのが必見なのだが、その髪型のインパクトはもとより、すぐ次のシーンでもういつもの無造作ヘア全開に戻っているのが笑える。

エピソード満足度:7/10
posted by onion_slice at 20:36 | Comment(0) | TVシリーズ
2010年02月06日

刑事コロンボ「ハッサン・サラーの反逆」

原題"A Case of Immunity"(1975)、出演へクター・エリゾンド、サル・ミネオ。

中近東のスワリ王国総領事代理ハッサン・サラーが、国王の信頼のあつい警備隊長を殺害し過激派の所業に見せかけ、王国の政治の混乱を図る。

対決の緊迫感もトリック・推理面での斬新さもなく、特筆すべき点があるとすれば、犯人が外交官特権でLAPDの逮捕から免れているという設定ぐらいか。自身には捕まえる権限がないと悟ったコロンボがいかに決着をつけるか、が見所だが、分かり易すぎる伏線が敷いてあるので誰にでも容易に筋書きは読めてしまう。

対決・推理の弱さに合わせて、殺しの動機があいまいすぎるのが残念なところ。この3つの減点はけっこう大きい。

まあ犯人役のへクター・エリゾンドは、とぼけた感じがあって嫌いではない。しかしサル・ミネオをもう少し出してほしかった。エルロイの小説でホモがらみの殺人を犯してたりして興味がわいていたところだ。

エピソード満足度:5/10
posted by onion_slice at 20:30 | Comment(0) | TVシリーズ
2010年01月30日

刑事コロンボ「闘牛士の栄光」

原題"A Matter of Honor(1976)"、出演リカルド・モンタルバン。

元闘牛士ルイス・モントーヤと、闘牛の介添え役としてパートナーを務めるエクトール・ランヘルは長年のパートナー。エクトールの息子クウロがリングで牛に倒され気を失い二人は助けに入るが、ルイスはすくみあがってしまいエクトールが一人で息子を助ける。無様な姿を見られたプライド高きルイスはエクトールの殺害を企てる。

ロケーションはメキシコ。コロンボのホームグランドではないが、休暇中に車で事故を起こしてしまい知り合った現地の警官と行動をともにするうち、闘牛に絡んだ事件に遭遇して首を突っ込んでいく。

特殊な回で、せっかくのメキシコロケだから90分枠にしてもよかったのではないか。現地のメキシコ警官と、文化的にかみ合わないながらもタッグを組んで捜査を進めていく、というようなストーリー上の味付けをちょっと期待したのだが、結局ほとんどコロンボが一人で解決パターンだった。

しかしこれは単なる個人的願望なのでどうでもよく、内容はよい。牛を追い立てる木の道具の破片や、気象情報から犯行の状況を具体化していく推理力が驚異的だ。

最後は、物的証拠に欠けるときのお得意嵌めこみパターン。名誉や面子を重んじる犯人の性格を研究し、それらが打ち砕かれたときに素直に罪を認めざるを得なくなるという状況を作り出すことで事件に幕を引く。
この、犯人の性格を知悉して行動を読む力がすごいんですよね。

エピソード満足度:8/10
posted by onion_slice at 20:54 | Comment(0) | TVシリーズ

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